エンタルピーの定義式『H=U+PV』をLegendre変換により導く。
大学で熱力学を勉強していて、最初につまずくのがこの「エンタルピー」ではないでしょうか?教科書にはで定義される。としか書いてありませんが、実はこの定義式、きちんとした数学的手法(Legendre変換)により導かれます。
Legendre変換とは?
ざっくりいうと、切片を傾きの関数として表すことで変数変換する方法です。(細かい数学的な説明は省きます。すみません...)
イメージについて、ある関数の接線は
で表されます。切片を傾きの関数としてみると
ですね。次に、内部エネルギーとエンタルピーの「自然な」独立変数での表記はそれぞれ(状態変数で表されている)ですから、内部エネルギーについて、を変換したらいけそうですね!
〜以下計算〜
このようにして得られた関数が、エンタルピーの正体です。
その他熱力学変数について
以上のやり方でエンタルピーの定義が導けました。ちなみに、UについてSを変換することでヘルムホルツの自由エネルギーが、HについてSを変換することでギブズの自由エネルギーが得られます。
(結局全部同じような意味を持つ量なんですね笑。変数変換により扱いやすい変数で書き直してるだけ)